昔ながらの冠婚葬祭から昨今では「海辺でのパーティー」など趣向を凝らした催しものまで、オケージョンシーンも多種多様となってきた昨今。
イザという時に困らないためにために揃えて置くと便利&着回し力あるオケージョンアイテム、フォーマルウェアをまとめてみました。
基本編
オケージョンシーンといってもきっちり「ドレスコード指定」があるものから「平服でお越しください」まで想定される場面は多種多様です。
いざという時に迷わないためには主催者側から指定されることが多いフォーマルの定義、コード指定についてまずはしっかり理解しておきましょう。
基本編の目次
- 目次
- 1.一般的なフォーマルウェア
2.フォーマルウェアの選び方ポイント
3.その他のドレスコード
4.豆知識
1. 一般的なフォーマルウェア
フォーマルウェアとして一般的に指定されることが多いドレスコードはフォーマル(正礼装)、セミフォーマル(準礼装)、インフォーマル(略礼装)の3タイプです。
全てのドレスコードにおいてジャケット、アクセサリーは外せませんがドレスコードによってスカート丈感や生地など微妙に差があります。
定義 | 概要 |
正礼装 | 1.マキシマム丈など肌の露出が少ないこと。 2.無地、或いは無地に近い生地であること。 |
準礼装 | 1.ある程度、肌の露出が許されるもスカートで座った時に膝が隠れる程度の丈があること。 2.少し柄が入っていても問題ないも遠目から見ると無地に見える生地であること。 |
略礼装 | 1.丈感は膝下が無難。 2.柄が入った服も着用可能。 |
2. フォーマルウェアの選び方ポイント
NHKあさイチに登場した日本フォーマル協会スタッフによるとフォーマルウェア(オケージョンアイテム)において外せないポイントは「素材」と「アクセサリー」なのだとか。
素材
素材はシルクが王道。
価格が高くてシルクには手が出ない場合、トリアセテード、ポリエステルなど光沢感がある素材を選べばOK!
「平服でお越しください」と指定されていても綿・麻・生成りなど光沢感がない素材はカジュアルに偏りすぎるため避けましょう。
アクセサリー
アクセサリーと言えば定番パールのネックレスやコサージュなど。
コサージュを胸の近くに付ける人を多く見受けるも本来は鎖骨あたりに付けるもの。
顔周りを華やかにするために作られたコサージュは鎖骨辺り付けることで顔周りが華やかになります。
バッグ
バッグも大切なアクセサリーのひとつです。
フォーマルな場においてバッグは小さいほど、またオートクチュールの流れから布製バッグの格が高いとされているそうです。
とは言え「出来るだけ小さな布製バッグ」ともなると実用性は皆無に等しく大切な書類ひとつ入れることができません。
現実解として上質&小ぶりのバッグを選ぶことでオケージョンシーンに汎用的に使えるバッグとなります。
3. その他のドレスコード
カジュアルエレガンス | 普段よりドレッシーなイメージ ジャケットは着なくてもOK |
スマートカジュアル | いわゆるキレイ目コーデ |
日本フォーマル協会曰く「定義自体ハッキリ決まっていない」ながらカジュアルエレガンスではワンピ―スがおススメとのこと。
一般的なフォーマルウェアに比べて敷居が低いように見えて定義が決まっていない故に「一人だけ浮いてしまった」など悩ましいコーデでもありますが(苦笑)「平服=普段着」ではなく「インフォーマル」程度と考えておけば無難、間違いなさそうです。
スーツで葬式、相応しい服装とは?
スーツ姿=インフォーマルで駆けつけることも多いお葬式の場合、シャツは白ではなく暗め色を選ぶことで落ち着いた装いになります。
インフォーマルならネクタイするorしない?
インフォーマルシーンにおいて男性で悩むことのひとつにネクタイをするべきか、外すべきかといことがあるかと。
悩んだ時はネクタイ姿で。
冠婚葬祭に限らずネクタイをすることで失礼に当たることはありません。
4. 豆知識
「1人だけ浮いてしまった」ということがないよう今どき冠婚葬祭における常識、トレンドについて豆知識を紹介します。
同じように見えて「黒」に違いがある。
フォーマルウェアに使われている身生地ですがどれも同じような「黒色」に見えて実は違いがあります。
ここ数年、人気があるのはエレガントな雰囲気を持つシャイニー素材(写真左)。
光の当たり具合でほのかに光沢感を放つも派手過ぎず上品な美しさを放っていることが分かります。
参考まで写真右は一般的な「黒色」。
トレンド感こそないとは言え深みある「黒」はやはり定番&上質感が漂います。
カラーは黒、紺、グレーが無難
日本フォーマル協会曰く「2000年代以降、卒業式では黒・紺・グレーなど落ち着いたカラーで8割を占めるようになる一方、ホワイト(白)など明るいカラーは敬遠されるようになった」とのこと。
汎用的に使いまわすことを考えるとベースとなるフォーマルウェアのカラーは黒、グレー、或いは紺に留めて置くと無難です。
シンプルイズベスト
フォーマルウェアに限ったことではありませんがデザインは奇をてらわずシンプルなモノを選ぶと間違いありません。
ジャケットに合わせたボトムスを選ぶことで着回しが効きます。
応用編:今どきオケージョンアイテムをチェック
ファッションブランド(PLST)展示会で紹介されていた内容を例に今どきのフォーマルウェアをチェック!アイテム別に予め用意しておくと便利&着回し力がある服の選び方のポイントをまとめてみました。
【応用編の目次】
- 目次
- 1.ワンピース
2.ジャケット
3.パンツ
4.ノーカラージャケット*
5.スカート*
6.シャツ
7.カットソー*
8.小物
9.どこで買う?オケージョンアイテム
*インフォーマルアイテム
1. ワンピース
どのような場面であってもベースとして1枚あると便利なアイテム筆頭はワンピースです。
シンプルな形のワンピースでもちょっとしたディテールや素材に拘ることでちょっと差がつくオケージョン・スタイルになってくれます。
落ち感やアシンメトリースタイルでトレンド感あるスタイルを実現
シルエットのトレンドは落ち感あるデザイン。スラリと上品に着ることができます。
大きなボックス型になったバッグスタイルでたっぷりタックが取られていることで動く度にシルエットが揺れて女性らしさを引き立ててくれます♪
アシンメトリーな裾回りは美しくスタイルアップを叶えます。
2. 襟付きジャケット
ベーシックカラーの襟付き定番ジャケットも1枚は用意しておきたいアイテムです。
ワンピースの上から羽織る。スカーフを巻いて華やかさを演出する。定番ジャケットならでは使い勝手も多種多様です。
細身がトレンド
襟は細め、細身に見えるシュッとしたデザインが主流です。
3. パンツ
最近ではスカートと並んでパンツを選ぶ女性も増えてきました。
スカートと異なりオケージョンシーンに合わせて丈感を気にしなくて良い分、気楽に着ることができます。
パンツの場合、足元はストレートに近い形、センタープレスが入ったタイプになるかと。
思いっきりワイドなパンツを穿きたいところですが(笑)冠婚葬祭・オケージョンを考えるとワイド感も少し抑えめデザインが無難です。
4. ノーカラージャケット
写真:グレーカラーのツイード素材のノーカラージャケットにシャイニー素材ミモレ丈スカートと合わせたスタイル。
ノーカラージャケットも欲しいアイテムのひとつです。
1枚目ジャケットを「衿付き&無地」の無難なアイテムにして2枚目を「ノーカラー&ツイード」にすることでオケージョンシーンでの着回し幅がグッと広がりそうです。
色違いのノーカラージャケットです。
素材が持つ柔らかな雰囲気のおかげで冷たい印象に映りがちなネイビーですが優しいイメージを前面に出すことが出来ます。
袖口にスリットがあるとブレスなどアクセサリーをさり気なく魅せることが出来ると同時に重くなり過ぎない印象を与える事が出来ます。
5. スカート
オケージョンに合わせて複数用意することで変化をつけやすいアイテムといえばスカートです。
スカートの場合、フォーマル指定によって丈感が重要な要素となります。セミフォーマルであっても座った時に膝が出ないよう注意して選びましょう。
ミモレ丈&ペンシルライン
着回しを考えて予め用意しておきたいスカート丈はミモレ丈、どんなジャケットにも合わせやすいペンシルラインがおススメです。
写真は明るいグレーカラー、入学式など晴やかな場面におススメです。
シンプルなデザインであってもツイード素材であれば高級感、上品な趣を作り出すことが出来ます。またジャケット&スカートで同じ素材で合わせても嫌味になりません。
卒業式などにおススメ!ネイビーカラーのツイード素材スカートです。
ネイビーカラーというとリクルートスーツを思い起こしますがツイード素材にすることでグッと大人の雰囲気になります。
6. シャツ
定番シャツも「いざという時」にないと困るアイテムのひとつです。
まず用意しておきたいシャツカラー白色ですが下手をすると学生服ライクに見えてしまうゆえに小さなデティールにこだわりましょう。
最旬トレンドは小さな襟のタイプ
小さな衿であれば首元に何も付けなくてもサマになります。
スカーフやアクセサリーをプラスして華やかに演出することも自由自在。
過度な装飾がないタイプを選んでおくことで華やか過ぎる装いが出来ないオケージョンシーンにも活用することが出来ます。
襟元と合わせて袖口もシンプルなタイプを選んでおくことで間違いありません。
7. カットソー
夏場などカットソーの上からシンプルにジャケットを羽織るスタイルもオススメです。
シンプルなアイテムだからこそTシャツと間違えられることがないよう素材には十二分に気を配りましょう。
薄手のシャイニー素材がおススメ
ワンピース素材でも紹介したシャイニー素材がトレンド。1枚あるだけで主役級です。
淡いカラーのジャケットと相性が良いインナーと言えば白色。相乗効果で上品な装いになります。
前出「白色カットソー」と合わせて1枚あると便利な丸首&ブラックカラーのカットソーです。
写真:ブログ友だち(アラフィフ)がモデルになってくれました。
様々な角度からカットソーを着てみた様子をチェック。
カラダのラインを拾い過ぎないゆったりしたデザインですが決してルーズな感じはしないところが吉。エレガントで女性らしさが前面に出ています。
8. 小物
冠婚葬祭、オケージョンに服は用意したけど靴や鞄、小物を用意し忘れた!というのは良く耳にする話。
いざという時にあわてないようチェックしておきましょう。
靴
黒、可能であればベージュの靴は華やかな各種オケージョンにマストアイテムです。
靴ズレで歩けないということがないためにはオケージョン用に特別に用意するというよりは普段使いのアイテムに必ず加えて置くと安心です。
写真:PLSTより提案オケージョンスタイルの靴は光沢感あるエナメル質の靴でした。
お葬式向きではないも華やかな場面では活躍してくれそう。アッパーで覆う面積が絞ったことで派手になり過ぎずエレガントな雰囲気を出していました。
大きめバッグ
冠婚葬祭、オケージョン用バッグというと”クラッチ”タイプのような小さなバッグをイメージしがちですが荷物はそんなに簡単に減らないもの。
クラッチバッグとは別にシンプルな形状&大きめバッグも用意しておくと便利です。
写真:バッグを上から見た様子です。しっかり容量があるのが嬉しい。
バッグを手に持った様子です。
最初に用意したい色は無難に黒、余裕があれば白のバッグもあるとお洒落です。
どこで買う?
オケージョンコーナーがあるブランドであれば総じて安心です。
私が若い頃はオケージョンといえば百貨店で、高価なモノというイメージしかありませんでした。
しかし時代も変わった!
記事で紹介したPLSTなどリーズナブルな価格でオケージョンアイテムを購入することが出来るようになって随分身近になりました。
ネットでも購入可能ですが大切な冠婚葬祭、場面や年代によって装いも異なってきます。
大事な場面で浮かないためにも、可能な限り本人が店に行って試着、店員さんに「〇〇で使いたい」と正直に伝えて相談しましょう。
レンタルという手も
突然、お葬式に出ることになった場合、はたまた遠方で冠婚葬祭に出る必要がある場合などレンタル服も選択肢のひとつです。
NHKあさイチに登場していた喪服レンタル専門店では午後4時にまで注文で翌日6時には受け取り可能とのこと。
レンタルならでは実際に式が行われる現地で受け取ることが出来れば身軽に動くことが出来そうです。
サイズはどんな人にも合うよう3~37号まで3000着位の服を常備。
子ども用、マタニティ用もあるので1度しか使いそうにない場合にも重宝しそうです。
価格帯は5000~12000円。
喪服だけでなく数珠など常備品も揃うので安心です。
なおネットレンタルする上で失敗ない方法は実寸で確認すること。
「実寸」とは手持ちの服を実際に測った値のこと。
服ブランド、メーカーごとに異なるサイズ表記と異なり間違いありません。
まとめ
記事を書いた後に我が家には実際の所冠婚葬祭、オケージョン向けアイテムが幾つあるのか数えてみました。
40代前半まで外で仕事をしていたこともあって意外に揃っていたのでひとまず安心。
ただ年齢と共にサイズが合わない&似合わない事があるので定期的にチェックは不可欠ですね・・・(苦笑)。
コーデ中軸となるワンピ、ジャケットこそはアップデートが必要。古臭い雰囲気にならないためにも定期的に買い替えの必要もありそうです。
初稿:2015年12月23日
更新:2019年2月21日
更新:2022年6月5日
参考:2019年2月NHK放送あさイチ特集「いざという時に困らないフォーマルウェア」