秋の気配を感じるようになった9月”「ぐるっと1周ジオツアー」 ~見つけ出せ!大地と自然と人の物語~”に参加、裏磐梯、喜多方を中心に巡ってきました。
猪苗代より裏磐梯方面は何度となく訪ねた場所でしたが、これまでは何気なく通り過ぎていた道の直ぐ傍に、実は約120年以上前にあった磐梯山噴火の名残があったり、会津・裏磐梯の地について、深く知る機会となりました。
会津地域雇用創造推進協議会主催モニター旅行に参加中です。
1. ジオパークとは?
2.出発~移動
3.野口英世記念館
4.蕎麦の里 いわはし館
5.土津神社
6.見祢の大石
7.五色沼自然探勝路
8.磐梯山噴火記念館
9.裏磐梯ジオラマ体験
10.宿泊ホテル~星野裏磐梯リゾート(猫魔裏磐梯ホテル)
11.参考リンク
1. ジオパークとは?
「ジオパーク」とは磐梯山ジオパークによると以下の通り。
ジオパークとは、人と大地の関係を、楽しみながら学習できる自然の公園です。地質や地形だけではなく、すばらしい景観や貴重な動植物をはじめ、文化や歴史、さらにはおいしい食べ物や温泉など、大地の上のすべてのものをまるごと楽しもうというもので、大地を楽しく学ぶテーマパークです。
「ジオ:GEO」とは「地球、大地」という意味なのですよね・・・。
ちなみに「ジオパーク」として認定されているエリアは裏磐梯の他、日本をはじめ世界に点在しています。
観光地として「世界遺産」が有名ですが、大地の生い立ち、多様性をじっくり知るという意味でジオパークは魅力的。
有名観光地を回っていただけの旅と違って新しい発見&出合いのある場になっています。
2. 出発~移動
あいにく小雨混じりの天気でしたが、裏磐梯ジオパークを訪ねる旅にいよいよ出発。
写真:東京駅前を出発したバスは順調に東北自動車道を走り安積SAまで。ジオツアー参加ブロガー5人でマイクロバスの前で記念撮影。
ジオパークについてしっかり学んできます♪
白鳥の絵が迎えてくれる長いトンネルを通過すると・・・。
前方に磐梯山が見えて来ました。
冬になるとトンネルを堺に雪深くなるとのこと。
「トンネルを抜けるとそこは雪国」ならぬ会津!東北にやってきた感が高まります。
最初の目的地、猪苗代に向かうために東北自動車道より一般道に降りて間もなく、今回ジオパークを案内してくれるガイドさんに出迎えられました。
ジオパーク最初のジオサイト※野口英世記念館前にて、磐梯山や野口英世博士が描かれた観光ラッピングバスに遭遇!
※ジオサイト=ジオパークを巡るための拠点となる地のこと。
観光地ではなく「ジオサイト」に行って来ました!と言うだけで気分が変わってくるから不思議です(笑)。
3. 野口英世記念館
リニューアルしたばかりの野口英世記念館です。
なんと!記念館内部に野口英世博士生誕の地となる家が再現されていました。
実際に家があった場所に同じように再建、暮らしの様子まで再現したとのこと。
家の中を歩きながら野口英世博士の生誕、その後の成長の様子を体感する貴重な経験となりました。
当時一般的な農家の家の作りとなっていますが暮らしとしては決して豊かではなかったとのこと。家の左側、厩(うまや)はありますが馬を飼うことは出来なかったそうです。
家内部の様子です。
野口英世博士が赤ちゃんの頃に誤って暖炉に落ちた様子も再現されています。
左手を怪我したことが人生の転機になったのですよね・・・子どもの頃に読んだ伝記の1シーンを思い出しました。
展示コーナーでは野口英世博士が実際に使っていた医療道具の他、意外にお洒落!身につけていた服や小物、面白いところでは生成表まで展示されていました。
野口英世博士等身大のロボットが質問に応えてくれるコーナーです。
左手の包帯が痛々しいですがロボットが手振り身振りで解説してくれる様は実際に野口英世博士から話を訊いているようで楽しむことが出来ました。
野口英世博士の一日をブースです。
博物館や記念館にありがちな長い説明文と違ってアメコミ風にコミカルに描かれているため子ども達も熱心に読み進んでいました。
「人の身体にどうやって細菌が入り込み、病気になるのか」ゲーム感覚で分かるように作られたブースです。
ここでも子どもが熱心にゲームで遊んでいました。
身近にゲームがあって当たり前の昨今、最後まで飽きずに遊び学べる仕組みはさすがです。
最初のジオサイト「野口英世記念館」を後にしたジオツアー一行はお昼ごはんを食べるために再びバスに乗りました。
写真:車窓からみた田んぼの様子。
青々とした稲穂は間もなく収穫の時期を迎えるとのこと。美味しい水に育まれたお米は美味しい事で有名です!
4. 蕎麦の里 いわはし館
第二のジオサイト「蕎麦の里 いわはし館」に到着しました。
福島県は東日本で最大の蕎麦の収穫量を誇っているとのこと。
ガイドさんによると蕎麦は店で食べるものではなく自宅で打つもの。蕎麦打ちを練習してから嫁入りしたそうです。
冷たい蕎麦と温かい蕎麦を同時に頂くことができる「祝言セット」と会津の郷土料理「こづゆ」を頂きました。
ちなみに冷たい蕎麦、温かい蕎麦、個別に注文することも出来ますが価格的にな「祝言セット」が断然お得。オススメです。
さて普段は小食を決めこんでいる私。
「食文化を知るためとは言えこんなに食べて良いのかしら!?」と一瞬思ったけどあっという間に完食。
美味しいモノって幾らでも食べることができるから不思議です。
会津塗りの器に盛られているのは冷たい蕎麦の薬味。
上から順に食べることで変化を楽しみながら蕎麦を楽しむことが出来ます。
これはゴマだれだったかな・・・めちゃくちゃ美味しい。
ガイドさん曰く「猪苗代界隈を訪れると蕎麦ばかりで飽きてくる」と言う人もいるとのこと。
私なら毎日、会津蕎麦でも絶対飽きそうにありません。
かなりお腹いっぱいになってきたけど「こづゆ」もしっかり完食。
祝いの席で出されることから具の数は奇数、山海の具を入れた煮物になっています。
東北=味が濃いと勝手に思っていましたが薄味で幾らでも食べることが出来そうです。
しかし「食文化」になると俄然張り切ってしまうなあ。
「食」を知ることも「ジオツアー」の目的のひとつ。お腹も満たされハッピーです。
5. 土津神社
第三のジオサイト、土津神社にやって来ました。
土津神社では、二代将軍秀忠公の第四子、会津松平家の初代藩主である保科正之公をお祀り建立されたことが始まりとなります。
戊辰戦争の折、火が放たれ全焼、明治時代に入って再建とのこと。
幕末の戦いで会津が失ったモノの大きさを改め感じる場でもあります。
ちなみに土津と書いて「はにつ」と呼びます。
ガイドさんに何度も読み方テストされ、さすがに覚えました(笑)。
ちなみ覚え方は簡単。「土」という文字より埴輪(はにわ)を想像すれば覚えやすいです。
土津神社手前を流れる川を渡るといよいよ土津神社境内に入ります。
裏磐梯より猪苗代に向けて土津神社が作られた時代より今なお田を潤す用水路として使われているとのこと。
神社は燃えてしまったも川の流れは今なお残る。感慨深いものがあります。
「冬になるとここまで雪が積もる」と解説中のガイドさん。
通常は赤のところ白い鳥居をくぐり参道を進みます。
小雨降る中、傘をさしながらの見学となりましたが、雨がしとしと降る中、神社を巡るのも趣きがあって良いものです。
雨ならでは美しい光景のひとつは屋根瓦。
黄金色に輝く葵の御紋(ごもん)が屋根瓦に美しい線を引いています。
雨の中、皆でお参り。
ちなみに土津神社のおみくじは「恋みくじ」?ロマンティックですね。
土津神社敷地内に置かれた亀石です。
亀石の上に置かれた石碑には保坂公の功績が書かれていました。
よく見ると「帝」「天」「皇」など文字を通常文字より一つ上に置くことで敬意を払っていることがわかります。
写真では分かりづらいですが亀石、石碑ともにかなりの巨石です!
江戸時代当時、お城の石垣造りなど石を運ぶ技術があったとはいえ、これだけ重たい石を人の手だけで運ぶ技術があったことに感服します。
ひと通り神社を巡った後の帰り道です。
前方、白い鳥居が印象的です。
白い鳥居と白い雪、全てが白く変わる静粛な白をまとった土津神社に再び訪れたいです。
6. 見祢の大石
第四のジオサイト「見祢の大石(みよのおおいし)」に到着しました。
今から約120年前。磐梯山が大噴火した際に火口より運ばれた巨塊をこうして間近に見ることが出来ます。
高さ3.1m×長さ8.2m。石の重さで噴火当時より3分の1ほど埋没しているそうです。
現在では民家の庭石と化している見祢の大石ですw。
直接、触ってみることも可能。
山歩き安全対策用に最近ヘルメットを買ったのだけど、これだけ大きな石が転がってくるようでは全く役に立たないことを痛感。
120年の時を経て見祢の大石は語らず自然の脅威を教えてくれるようでした。
見祢の大石近くにて。蕎麦畑を間近に見ることができました。
ちなみに蕎麦の花の香りは好き嫌いがある模様。
苦手!という人も多い中、好きが講じて何とやら!?私は全く気になりませんでした。
7. 五色沼自然探勝路
裏磐梯ジオツアー1日目も終盤になってきました。
第五のジオサイト、「岩なだれ」と「せき止め」で生まれた300余りの湖沼群の地質と自然を堪能することができる「五色沼自然探勝路」を歩き始めます。
何時降り出すか分からない悪天候&時間短縮のためにガイドさんが見処をチョイス、案内してくれました。
森の緑と水の緑が調和して神秘的です。
ガイドさん曰く、全国の森を歩く人からは「五色沼の森の緑は薄いですね」と言われることがあるそうです。
理由は写真、ヤナギ科の植物が多いため。
葉の裏が白いことから森全体の緑が薄く見えるそうです。
それにしても今までは知らず通りすぎていた森の成り立ちを知ることで勝手知ったる景色もまた違って見えてくるから不思議です。
写真:ガイドさん曰く「落葉する単位を1枚の葉と呼びます。」と説明しています。
何枚も葉が付いているように見えて実は1枚の葉。正確にはこれから1枚の葉へと進化途中である葉であるとのこと。
葉がどのようにして進化していくのか、森がどのようにしてブナの森へと進化していくのか、インターネットや教科書ではなく、実際に森に入って学ぶことは楽しいです。
五色沼最大の見処、青沼に到着しました。
美しい~。
噴火によって山よりアルミニウムが湖に溶け込み青色の水になったとのこと。
自然が作り出した美しい景観はまさに奇跡です。
小雨降る中、水の色は望めないと思っていたのですが、青沼は私たち一行を美しい姿で迎えてくれたことに感動しました♪
緑の木立より青沼を見ると抜けるような水の色、森の奥行きと立体感を感じることが出来ます。
吸い込まれるような幻想的な世界です。
少し歩いて五色沼自然探勝路もう一つの見処である「るり沼」に到着しました。
青沼にアルミニウムが溶け込んでいるのに対し、自生する苔が水の色を形成しているとこと。
青沼と同じ水の色に見えるかも知れませんが実際は濃い緑色です。
晴れていれば後方に雄大な磐梯山を見据え水・森・山・空の四重奏を楽しめるとのこと。
訪れた日は厚い雲に覆われてほんの僅か裾野が見えるだけでした。残念。
るり沼より帰り道に何の卵でしょうか。
自然が作り出す造形は美しいですね。
最後にガイドさんから「是非見ておいて欲しい」と言われた明治、磐梯山の大噴火の名残である岩礁です。
探勝路の下には同じような岩礁がゴロゴロと転がっているとのこと。
これだけの岩をならし、森を作ることは大変な労力だったことは想像しただけで頭が下がります。
五色沼自然探勝路についてまとめ
個人的に大好きな湖のひとつで10代では油絵を描くために、20代の頃は子どもに美しい湖を見せるために2度訪ねています。
ずいぶん間を開けてしまったけど久しぶりに来た五色沼では心洗われる時間となりました。
個人で行くと駐車場がすぐ近くにある桧原湖を見るだけで終わらせてしまう観光客が多い中、秘境と呼ばれる湖、大地歴史の片鱗は全く別の場所にあることを再確認。
多少の雨でも美しい水の色は健在です。
五色沼を訪れる際は時間をかけて是非歩いてみて下さいね!
8. 磐梯山噴火記念館
第六のジオサイト「噴火記念館」近くで見たレトロ感たっぷりのバスです。
裏磐梯の地によくあっています。
「裏磐梯噴火記念館」です。
建物は立派!
展示スペースはそれ程広くないのですが中身は旧来型の展示スペースになっています。
写真:中国で作られた世界初の地震計が展示されていました。
地震の揺れによって龍の一つの口が開いて下のカエルの口に入る仕組みになっているとのこと。
78~139年に作られたというのだから当時、中国の技術力の高さに驚くと共に、こんな古い時代より人々が自然災害、地震に対する警戒心が高かったことが分かります。
9. 裏磐梯ジオラマ体験
裏磐梯ジオツアー最後は「裏磐梯山」のジオラマ作りに挑戦しました。
ジオラマは写真、温かいお湯で柔らかくなる「おゆまる」を使います。
好きな色を3つ選んで温めたお湯に数分間放置します。
柔らかくなった「おゆまる」を磐梯山の型に押し付けて行きます。
ということで早速実践!私が選んだ「おゆまる」カラーはラメ入り白、紫、青です。
参加メンバー皆でそれぞれ作った磐梯山のジオラマを公開!
一番手前のジオラマが私の作った磐梯山です。涼しげに仕上げてみました。
出来上がった磐梯山を専用台紙の上に載せて行きます。
見る場所、見る方向によって磐梯山に見え方が違って見える様が分かります。
10. 宿泊ホテル~星野裏磐梯リゾート(猫魔裏磐梯ホテル)
宿泊は広い敷地でゆったり過ごすことができることで有名な星野裏磐梯リゾート(猫魔裏磐梯ホテル)でした。
お楽しみ!夕食バイキングの様子です。
地元の食材を豊富に使った食事は何を食べても美味しい!レストラン終了時間までたっぷり2時間食べて飲んで過ごしました。
2日目ジオツアーレポ「喜多方マイスターを巡る!裏磐梯ジオツアー体験レポ2日目」につづく。
11. 参考リンク
●磐梯山ジオパーク
→裏磐梯ジオパークについて詳細を確認することが出来ます。
●下郷町観光協会
→ 会津を体験出来るアクティビティを紹介しています。