「デング熱」患者で解熱剤を使って重症化した例がニュースになっています。蚊に刺された覚えがなくても「デング熱」。高熱が出たからと安易に解熱剤を使えないことがわかってきました。
目次
1.「デング熱」患者が「解熱剤」を使って重症化した例
2014年9月17日NHK朝のニュースにて実際に「デング熱」患者が「解熱剤」を使って重症化した女性の証言が報じられていました。
曰く「熱いし、寒いし、震えが止まらない。悪化したんだろうなぁと思っていた。」
その後、症状は3日間続き医師からは「危険な状態」と告げられたとのこと。
女性が医師より処方され飲んでいたのは解熱剤の「ロキソニン」でした。
血小板を調べてみると健康の人に比べて10分の1まで低下していたそうです。
女性がロキソニン処方が停止されたのは飲み始めて4日め、デング熱と診断された後だったそうです。
番組では「デング熱」で高熱、解熱剤を飲んで重症化した他の例として高熱の際に解熱剤を飲み重症化、輸血を余儀なくされた女性も紹介していました。
2.「デング熱」の時に「解熱剤」を安易に使えない理由
「デング熱」の時に「解熱剤:ロキソニン」を使って症状悪化した理由は以下の通り。
- デング熱になると内出血など多く見られる理由は血小板が低下している。
- ロキソニンには血小板を低下させる作用がある。
デング熱感染でそもそも血小板が低下していたところ、ロキソニンを飲んだことで更に血小板が低下してしまったことが問題だったそうです。
ロキソニン
「解熱」「歯痛止」「ねんざ痛」としては良く知られた薬で、私自身もこれまで度々使用したことがある、馴染みがある薬のひとつです。
現在では薬局で手軽に買うことができること、対処療法に用いられる薬とはいえ応急手当に用いるには非常に便利であることから病院まで簡単に行くことができない旅先、登山では常備薬のひとつとして保持している人も多いのではと想像します。
3.「デング熱」より自分の身を守るためには?
デング熱の場合、対処療法しか方法がないため、発熱、痛みに応じて薬が処方されますが、少しでもデング熱の恐れがある場合、ロキソニン、アセロイドなどステロイド系解熱剤は使わないことになります。
気をつけないといけないことは「デング熱」であるかどうか、肝心の病院であっても混乱しているということ。
先の例に出した女性の場合、病院に行ったにも関わらず「デング熱」と診断、正しい治療が行われるまで4日間の日数を要しています。
70年ぶり日本でデング熱発症の裏には、デング熱に対する治療の経験がない医師、看護師が多いということも示しています。
蚊に刺された覚えがなくてもデング熱になった患者も現れました。
デング熱による医療機関側での混乱も徐々に収束していくと予想。今後、日本、特に海外との往来が多い首都圏では、高熱時に安易に個人判断で解熱剤を使うことは避けたほうが良さそうです。