ラーメンブームでパフォーマンス過多が目立つ店が席巻する中、客寄せを思わせるパフォーマンスは喜多方には存在しない。
磐梯山を巡るたびの途中、喜多方「上海(しゃんはい)」までラーメンを食べに行ってきました。
土地に根付き時代を重ねてきたラーメンは素朴にして深みのある味でした。
喜多方ラーメン名店「上海」
喜多方ラーメンといえば東京など都心部でも出店していることから「坂内・小法師」が有名ですが、今回訪れたラーメン店は会津喜多方でも名店として名高い「上海」。
ラーメン店が軒を連ねるマーケット通りに入って直ぐ、左側に店を構えています。
店の中は昭和の時代を感じさせる佇まい。
父親に連れられ通ったラーメン屋の雰囲気に何処か似ていて落ち着きました。
メニューの中に緑色の紙に書かれた手作りチーズケーキ&コーヒーの文字を発見!
東京でラーメン専門店と名乗る店であれば「ラーメンに関係ないものは一切出さない」なんて固いことを言いそうなところ、肩意地を張っていないところにむしろ貫禄を感じさせます。
店の奥、厨房でラーメンを黙々と作るお店の人がいました。
これまた都心のラーメン店にありがちな「ラーメンを作る様子を客に魅せてパフォーマンス!」なんてことを一切してないところがまた良い感じです。
至ってシンプルなメニューです。
喜多方ではラーメンと呼ばず「中華そば」と呼ぶのですよね。
喜多方と目と鼻の先、猪苗代と言えば東日本一の蕎麦の収穫量を誇る土地として有名。
「蕎麦」と違いを持たせるため「支那蕎麦」と呼ぶこともあるのだとか。
何れにせよ「蕎麦」という言葉に土地の人が愛着を感じていることがわかります。
ラーメンを配達する時に使う現役!使い込まれた「おかもち」があったので見せて頂きました。
写真は磐梯山を一緒に巡ったブロガーさん。笑顔で写真モデルになってくれました。
私が子どもの頃、今から40年前、昭和の時代は東京でも自宅にラーメンを出前してもらうことも多かったことを思い出しました。
戦後、喜多方の地でラーメンがご馳走だったのと同じ、おかもちに入った醤油ラーメンは私にとって憧れに近いご馳走でした。
「バリカタ」まで行かなくても「麺かため」なんて注文が入る昨今にあっては東京では出前する・できるラーメン店も減るよな・・・
暮らしに根付き昔ながらのスタイルでラーメン店を営む喜多方という町が懐かしくも羨ましく思えました。
喜多方ラーメン名店「上海」を食す。
いよいよ実食!
「上海」に行ったら是非食べて欲しいラーメンを一挙ご紹介します。
その1. 中華そば
喜多方といったら最初に思い浮かぶのはやはり「中華そば」。
620円でラーメンが食べられるというのも嬉しい。※記事執筆時点の価格です。
お安いのに更に嬉しい!チャーシューはしっかり3枚載っています。
透明に澄んだ醤油ベースのスープは出汁が効いて深みのある味ながらさっぱり。何杯でも食べることが出来る味です。
その2. チャーシュー麺
味のベースは前出「中華そば」と同じ。チャーシューをガッツリ食べたい人にオススメの「チャーシュー麺」です。
女性の殆どが大人しく「中華そば」を注文する中、好奇心と欲に負けた私ひとりチャーシュー麺を頼んみました。
「中華そば」でもチャーシュー3つだから「チャーシュー麺」となるといったいどうなるの?
念のため数えてみるとチャーシュー8つ。麺が見えない程チャーシューが載っていましたw
柔らかく煮こまれたチャーシューはサッパリ系。
脂ギトギト系ではないの幾らでもお腹に収まります。
その3. 八重の桜ラーメン(多分)
喜多方ラーメン「上海」の新メニュー大河ドラマ「八重の桜」にちなんで作られた塩ラーメンです。
塩ベースのサッパリしたスープにタップリの葱とチャーシュー付き。
トッピングに塩漬けされた桜、焼き葱、ワサビがついていました。
写真では同じように見えるも「八重の桜ラーメン」で使われているチャーシューは中華そばで使われているチャーシューよりグレードが良い肉を使っているとのこと。
喜多方ラーメンと言えば元々ヘルシーなイメージが強いけど質にこだわった「八重の桜ラーメン」は女性受けの良いラーメンです。
チャーシューにワサビを載せて頂くのが「八重の桜」流。
喜多方ラーメンをハシゴして食べる事が出来る人は是非試して欲しいラーメンです。
その4. 季節限定! 胡麻だれ冷やし中華
「上海」でラーメン食べるなら喜多方を代表する「中華そば」「チャーシュー麺」、加えて大河ドラマにちなんだ「八重の桜」の3つでしょうと誰もが思う中「今日は暑いから・・」と迷いもなく冷やし中華を頼む連れひとりw。
実際にテーブルに運ばれた「胡麻だれ冷やし中華」を見て彼女の選択は決して邪道ではなかったことを悟りました。
太め縮れ麺にメンマ、葱、たっぷりチャーシューのトッピングは紛れも無く喜多方麺による冷やし中華だったのです。
野菜もタップリ!麺が隠れるほど載った具材に胡麻ダレの組み合わせはヘルシー喜多方ラーメンとして私の中に新しい世界を魅せてくれました。
憧れ「喜多方」で初めてラーメンを食べた感想
東京より遠い地にあるご当地ラーメンに憧れて札幌では味噌ラーメン、博多では豚骨ラーメンに続けて嵌っていた私ですが、何故か会津喜多方は未踏の地のままでした。
札幌味噌、博多豚骨の味も何となく私の中である程度ブームは去った感がある中で、ようやく最後に食べたご当地喜多方ラーメンはこれぞ私が求める味と言えるものでした。
なぜか。
私が子どもの頃、ラーメンといえば醤油ベースだったのですよね・・・
子どもの頃からカラダに馴染んだ醤油ベースの味に加えて、喜多方の名水で作られているから喜多方ラーメンは懐かしくも奥深い味に思えたのです。