秘境駅ジグザク~飯田線の山間を巡る旅2

前記事[飯田線の山間を巡る旅1]からの続きです。

東京より遠路、各駅停車に乗り継ぎ長野県までやって来た私たちはここからが本番!

旅の発起人Iさんが時刻表を元に作ってきたダイヤグラム(箱ダイヤ)を元に飯田線に点在する秘境駅をジグザグに巡ります。

飯田線

9:45 岡谷(豊橋行)発

岡谷駅より2駅進んで辰野駅より飯田線は始まる。

いよいよ飯田線とは言え暫くは秘境感はない。

ごく普通の田園風景が続き平日でも学生などそれなりに乗降客が存在する。

岡谷駅を出て1時間30分~2時間程度経つと俄かにトンネルが多くなる。

進むほど夏の終わりよろしく濃緑の車窓風景が続く。

いよいよ秘境駅エリアへ突入だ。

12:52[千代]通過

千代駅@飯田線車窓から

千代駅は秘境駅ランキング※25位と飯田線を代表する有名な場所であるも飯田盆地の平野部が近い立地ということもあって孤高の秘境というイメージというより明るく開けた雰囲気だ。

飯田線は更に先へ。

トンネルを過ぎる度、片側は山の急斜面、もう片側は水を湛えたダム、他には何もない風景が色濃くなっていく。

13:18 [為栗]着

為栗駅@飯田線ホーム

秘境駅ランキング16位※為栗(してぐり)駅にて初めて飯田線を下車する。

千代駅@飯田線にて天竜橋を望む

次に乗る列車まで待合約30分を利用して駅周辺を散歩してみることにした。

駅ホームからは水を湛えた平岡ダム湖(天竜川)を望むことができる。

前日の大雨で少し濁って乳白色になっているも雲間より差す太陽光に輝く湖面は清々しい。

「わずか30分の待合では橋まで行くことは難しい」と思いつ取りあえず歩き始めると拍子抜けするほど直ぐに「天竜橋」に到達した。

天竜橋

歩行者専用の吊り橋で車はもちろん私たち3人以外は人もいない。

どうやら動物だけは居るらしい。

フンらしきものが橋の上に落ちていた。

天竜橋からの景観

目前に広がる平岡ダム湖(天竜川)下には駅と並行して走っていた道路が眠る(らしい)。

為栗駅よりを挟んだ対岸には沈んだ道路の代わりに作られた車道があるとのこと。車が一台止まっているのが見えた。

天竜橋より為栗駅を望む

橋を殆ど渡り切った頃、振り返れると対岸に為栗駅をを望むことが出来た。

ダム湖の畔、緑の中にポツンと存在する為栗駅は本当に簡素で美しかった。

為栗駅@飯田線ホーム

為栗駅ホームにて右上を見ると一軒家が見えた。

これだけの秘境でも暮らしている人はいるんだなぁ。

不便ではあるだろうけど…

これだけ空気が綺麗な場所なら肺の中もキレイなのだろうな。

ただの一度も煙草を吸ったことがないことはもちろん喫煙者には極力近づかないよう注意しているのに、喫煙影響検査にて「受動喫煙の状態」と診断された自分の暮らしとはずいぶん違うと思った。

13:45[為栗]発(天竜峡行)

再び飯田線に乗車し更に先へ‥ではなく岡谷方面へ戻り次の目的駅へ向かう。

14:08[金野駅]着

為栗駅@飯田線

秘境駅ランキング7位※である金野駅を下車。

次の列車迄1時間余の待合を利用してIさん手製、山ご飯ならぬ駅ごはんを頂く。

お湯を注ぎ待つだけライスの上から天かす、さくらえび、刻み葱、紅ショウガ、最後にポン酢をかけてよく混ぜて頂く。

Iさん曰く、山で作る簡単ご飯としてバイブル的存在のコミック「山と食欲と私」のレシピとのこと。

一見、栄養面を完全に無視した献立に見えるも長時間にわたって一定のパフォーマンスを求められる登山向きとも。

ご飯(糖質)に天かす(油分)が加わることで上手に糖質コントロールできているなぁ、と後になってちょっぴり感心した。

金野駅の直ぐ傍には石橋「よねかわはし」。

駅周囲の散策は緑に囲まれ歩くだけで心地良く電車の待合も飽きることはない。

金野駅@飯田線

誰が手入れをしているのか飯田線各駅には盛夏というのに花がたくさん咲いていた。

秘境駅では「列車の待ち時間=退屈な時間」という概念が変わる。

美味しいご飯を食べていると時間はあっと言う間に過ぎていく。

15:17[金野]発(豊橋行)

三度、飯野線をジグザグ、先ほど下りた列車とは逆向き豊橋方面へ向かう。

15:30[田本]着

田本駅@飯田線

秘境駅ランキング第6位※ 田本駅着。

両側にトンネル、山側は断崖絶壁、山と反対側はだダム。

正真正銘、駅しかない秘境駅だ。

つづく。

まとめ

50代にして飯田線初乗り&鉄子デビューとなった私は終始、座席を立ちっぱなしだった。

列車の中を行ったり来たりカメラから手が離せない状態で興奮しきり。

子どもの頃に戻り本当に久しぶりに列車に乗ること自体を、秘境駅という存在を楽しむことが出来た。


※秘境駅ランキングは雑誌「旅と鉄道」 2019年9月号よを参照記載。


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